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皆さんは、怒りや不安といった感情に振り回されてしまった経験はありませんか?

日常生活において、感情のコントロールは非常に重要です。感情に振り回されると、仕事や学業の生産性が低下したり、人間関係が悪化したり、さらには健康にも影響を及ぼす可能性があります。慢性的な怒りや不安は、免疫機能の低下を引き起こし、様々な病気への抵抗力を弱めることもあるのです。

今回の記事では、認知行動療法カウンセリングセンター山口店が運営するYouTubeチャンネルでの市民講座にご登壇いただいた公認心理師・臨床心理師であり、浄土真宗の僧侶でもある高橋麻純先生の動画「仏教と心理学に学ぶ感情調節のポイント」をもとに、感情を整えるヒントをご紹介します。

感情が生まれる仕組み

感情とは、外部の刺激に対する主観的な体験です。喜び、怒り、悲しみ、不安など、私たちは様々な感情を持っています。

仏教では「縁起」という考え方があります。これは、あらゆる物事が複数の要素の組み合わせによって成り立っているというものです。感情もまた、出来事や環境、過去の経験、考え方などの様々な要素が組み合わさることで生まれます。

心理学では、これを「ABC理論」として説明する事もあります。

しかし、この解釈が異なれば、感情の反応も変わります。「相手が忙しくて気づかなかっただけかも」と考えれば、悲しみや怒りは生じにくくなります。つまり、感情のコントロールには、まず自分の解釈の癖を知ることが大切です。

怒りのコントロール方法

1. タイムアウト技法

怒りを感じたら、一時的にその場を離れて冷静になる時間を確保しましょう。5~15分程度、深呼吸やストレッチを行うことで、怒りが和らぐことがあります。

2. 呼吸法

怒りを感じたときに、深呼吸をすることで気持ちを落ち着かせることができます。

  1. 鼻から4秒かけて息を吸う。
  2. 2秒間息を止める。
  3. 口から6秒かけて息を吐く。

これを3~5回繰り返すことで、怒りの感情と距離を取ることができます。

3. 考え方の切り替え(認知再構成法)

怒りを引き起こす「自動思考」に気づき、他の考え方も取り入れてみます。

例えば、「また失敗した」と考えてしまうとき、「成功したこともある」「努力は無駄ではない」といった考えに切り替えることで、怒りのコントロールがしやすくなることもあります。

4. 予防的アプローチ

怒りをため込まないために、日頃からストレスを管理することも重要です。

不安のコントロール方法

1. マインドフルネス

仏教では「今を生きる」ことの大切さが説かれています。過去の後悔や未来の不安に心を奪われず、「今この瞬間」に意識を向けることが、不安の軽減につながります。心理学ではマインドフルネスという方法がありますが、同じく「今この瞬間」に注意を向ける方法です。

静かに座り、ゆっくりと呼吸しながら、今の感覚に意識を集中させてみましょう。

2. グラウンディング技法

不安が強いときに、「今ここ」に意識を向ける練習をします。

五感を使うことで、現実感を取り戻し、不安を和らげることができます。

ネガティブケーパビリティ

「答えの出ない状況に耐える力」を育むことも、感情コントロールには重要です。

仏教では「諸行無常」といわれるように、すべてのものは変化し続けます。今の感情も、時間が経てば変化するものです。

まとめ

感情コントロールは、すぐに完璧にできるものではありません。しかし、小さな意識の変化を積み重ねることで、心が軽くなることがあります。

今回ご紹介した方法の他にも、専門家にご相談頂くことでご自身にあった方法を見つけて頂く事もできます。認知行動療法カウンセリングセンター山口店でも怒りや不安などの感情に関するお悩みをご相談頂けますので、もしお悩みの方はお気軽にご連絡ください。


認知行動療法カウンセリングセンター山口店

https://yamaguchi.cbt-mental.co.jp/

——登壇者情報——

高橋麻純 先生

公認心理師、臨床心理士 浄土真宗僧侶

療育施設、スクールカウンセラー、教育支援センター、病院にて勤務。 現在はオンラインカウンセリングを中心に行う

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