2025年10月28日
- 認知行動療法
山口で児童・思春期による性加害に対する再発予防カウンセリング
こんにちは。
認知行動療法カウンセリングセンター山口店です。
児童・思春期にみられる性の行動上の問題は、「どこに相談してよいか分からない」「家庭内で抱え込むしかない」という状況から、支援につながるまで時間がかかりやすい領域です。
このたびNHKスペシャルにて「子どもの性加害」が特集され、当センター(オンライン性犯罪再犯防止カウンセリングセンター)が取材協力機関として番組エンドロールに正式クレジット掲載されました。
以下では、支援現場で実際に見られる特徴と、認知行動療法(CBT)およびリラプスプリベンションを用いた支援の考え方をわかりやすくまとめます。
1.最初の段階では“問題”として認識されにくい
児童・思春期の性加害は、外から見える形になるよりも前に進行している事が少なくありません。
- 家庭や学校では普段どおりに見える
- 本人にも「支援が必要」という自覚がない
- 外部から問題として捉えられにくい
といった特徴があります。
発覚の多くは
・スマホや検索履歴
・偶然の目撃
・第三者からの指摘
といった“後から痕跡で知る形”で生じます。
そのため、相談につながる時には、すでに“繰り返しの学習”が成立しているケースが少なくありません。
2.出発点は「悪意」ではなく“好奇心”が少なくない
児童・思春期において最初のきっかけは
「傷つけたい」という意図ではなく
“知りたい・見てみたい”という好奇心
であることが少なくありません。
そして繰り返すうちに
刺激や興味が行動と結びつき、行動が続きやすい状態(強化学習)が形成される
という構造になります。
これは「やりたいから続けている」ではなく、
止め方・距離の取り方をまだ身につけていない
という段階です。
3.叱責や禁止では止まらない理由
「やめなさい」「二度とするな」という指導は自然な対応ですが、繰り返しを支える“背景の構造”までは扱えません。
| 表面的な反応 | その裏で起きていること |
| 叱責で一時停止 | 行動を支える構造はそのまま残る |
| 厳しさを強める | 打ち明けづらさ・隠蔽化が進む |
| 我慢で止める | 仕組みが変わらず再燃しやすい |
行動が止まらない理由は“意志”ではなく
行動学習の構造が残っているからです。
4.CBTでまず「繰り返しの構造」を理解する
認知行動療法では、行動そのものではなく「その前に何が起きているか」を整理します。
| CBTで扱う内容 | 目的 |
| ① 状況 | どのような場面・環境・きっかけで起きるか |
| ② 認知 | 「これくらいなら」「誰にも迷惑をかけていない」といった考えのクセ |
| ③ 感情・身体反応 | 興味の立ち上がり/刺激の高まりなど |
| ④ 構造理解 | “なぜ繰り返されやすいのか”を本人自身が把握する |
まずこの構造を可視化して理解することが、次のステップ(再発予防)に必須となります。
5.リラプスプリベンション(再発予防)
――第一歩は「きっかけ(トリガー)に近づかないこと」
CBTで構造を理解したうえで、次に「再び起きない状態を維持する支援」に移ります。
再発予防の最初の柱は
“そもそも行動につながりやすい状況に近づかない設計”を行うこと
です。
ここでいう“きっかけ(トリガー)”とは
- 一人になりやすい時間帯
- 特定の端末や閲覧環境
- 行動が連鎖しやすい条件
などを指します。
そのうえで、再発予防は次の順番で行います。
| 支援の順番 | 内容 |
| ① きっかけとなる環境に入らない | 条件が整う前に距離を置く |
| ② 予兆の早期察知 | 高まり始めの「前触れ」に気づけるようにする |
| ③ それでも高まる場合の対応 | 事前に決めた安全な行動に切り替える |
つまり、「選び替える」前に
“選び場に立たない設計” が最初の介入です。
6.NHKから取材協力が寄せられた背景
児童・思春期領域において、
「再発予防(リラプスプリベンション)」まで一貫して支援できる民間機関は全国でも限られており、
この点が評価され NHKより公式に取材協力の依頼が寄せられ、番組エンドロールに正式クレジット掲載されました。
「未然防止」「再燃を防ぐ支援」に取り組む専門性が、公共放送の調査過程でも確認された形です。
7.NHK放送(見逃し配信)
NHKスペシャル
『加害の“扉”が開く時 スマホ・SNS・盗撮から子どもを守る』
見逃し配信(2025年11月2日(日)午後9:49まで)
https://www.web.nhk/tv/an/special/pl/series-tep-2NY2QQLPM3/ep/Y7Q5G96V8J
8.お申込・お問い合わせ(山口店)
山口店では、児童・思春期のお子さまについての相談を受け付けています。
保護者のみでの面談開始も可能です。
【所在地】
〒753-0055
山口県山口市今井町4-10 山根ビル201号室
(JR湯田温泉駅 徒歩1分)
【相談形式】
オンライン/対面(50分)
【WEB】
https://yamaguchi.cbt-mental.co.jp/
【LINE】
https://lin.ee/26sKHRK8
【お申込フォーム】
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