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近年、うつの改善方法として注目されているのが「行動活性化」です。これは、うつによる活動量の低下を防ぎ、前向きな行動を増やすことで気分の改善を目指すアプローチです。この記事では、行動活性化の具体的な方法やその効果について詳しく解説します。

行動活性化の基本概念

うつの症状があると、気分の落ち込みや疲労感によって行動する意欲が低下しがちです。しかし、活動量が減ると、生活の中で楽しいと感じる経験や達成感を得る機会も減り、さらに気分が沈んでしまうという悪循環が生じます。

行動活性化では、この悪循環を断ち切るために、意識的に行動を増やすことを目指します。特に、自身にとってポジティブに感じられる体験を重ねる事のできる行動を増やし、うつ症状の軽減を図ります。

行動活性化の具体的な方法

1. 活動記録をつける

まず、自分の1日の行動を記録し、どの時間帯にどのような活動をしていたかを把握します。この記録を通じて、自分がどのような行動パターンを持っているのかを確認し、行動の変化を計画しやすくなります。

2. 小さな行動から始める

「何かをやらなければ」と思っても、いきなり大きな目標を設定すると達成が難しく、かえって気分が落ち込むことがあります。まずは「5分だけ散歩する」「お気に入りの音楽を1曲聴く」など、簡単な行動から始めることが大切です。

3. 楽しいと感じる活動を増やす

うつの影響で楽しいことが思いつかない場合もありますが、過去に好きだったことや、やってみたいと思っていたことをリストアップし、その中から少しずつ実践していきます。

4. 行動の影響を振り返る

行動を増やした後に、「やってみてどう感じたか」を振り返ることが重要です。たとえ最初は大きな変化を感じなくても、少しずつポジティブな体験を積み重ねることで、気分の改善につながります。

行動活性化の効果

研究によると、行動活性化は認知行動療法(CBT)と同等、またはそれ以上の効果を持つことが示されています。特に、認知に対するアプローチよりも、直接的に行動を変える方が、うつ症状の改善に効果的である場合もあります。

また、行動活性化はセッション数が比較的少なく、シンプルな手法であるため、費用対効果が高いという特徴もあります。特に、うつの初期段階や、継続的な来所が難しい場合に有効です。

まとめ

行動活性化は、うつによる行動の低下を防ぎ、気分を改善するための効果的な手法です。活動記録をつけ、小さな行動から始め、楽しい経験を増やすことで、悪循環を断ち切ることができます。

もし、日常生活で行動が減っていると感じている方は、ぜひ今日からできる小さな行動を1つ増やしてみてください。それが、うつを乗り越える第一歩になるかもしれません。

認知行動療法カウンセリングセンター山口店では、行動活性化を取り入れたカウンセリングを行っています。気になる方は、お気軽にご相談ください。


認知行動療法カウンセリングセンター山口店

https://yamaguchi.cbt-mental.co.jp/

——代表者情報——

岡村優希

株式会社CBTメンタルサポート 代表取締役

認知行動療法カウンセリングセンター代表

公認心理師、臨床心理士、認定行動療法士

個人事業主として私設カウンセリングルームの運営を経て、株式会社CBTメンタルサポートを創業し、メンタルヘルス支援者向けのサービス事業を展開している。主宰しているオンラインコミュニティ『認知行動療法の学校』の会員数は約400名。

さらに、カウンセリングルームを全国に5店舗運営しており、全国展開を目指している。

◆執筆書籍

「臨床心理学 〈123(第21巻第3号)〉 問いからはじまる面接構造論 「枠」と「設定」へのまなざし」金剛出版

「遠隔心理支援スキルガイド」 誠信書房

◆テレビ出演

読売テレビ「かんさい情報ネットten.」2024年7月4日

「あなたの味方!お役に立ちます」のコーナーに高所恐怖克服のための専門家として出演

◆雑誌掲載

「からだにいいこと」 2022年12月号、2023年2月号

◆近年の講演実績

2024年2月21日

広島大学医学部にて「セルフケアに役立つ認知行動療法入門」についての講師

2023年2月9日

NTT PARAVITA株式会社にて「認知行動療法」をテーマとした社内研修の講師

2022年7月6日

筑波大学医学医療系精神医学の勉強会で「パニック症の認知行動療法」についての講師

その他、学会発表多数

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