2025年01月28日
- 認知行動療法
「強迫症」を改善するためのカウンセリング
こんにちは。認知行動療法カウンセリングセンター山口店のスタッフです。日々の生活の中で、強迫的な考えや行動が止められず、苦しい思いをしていませんか？「自分だけがこんなに悩んでいるのではないか」と思うこともあるかもしれません。でも、これは決して特別なことではなく、たくさんの方が同じような悩みを抱えています。
今回は、強迫症に関する基本的な考え方や、心を軽くするための具体的な方法をご紹介します。このブログが少しでもあなたの力になれれば嬉しいです。
強迫症とは？
強迫症とは、不安や恐怖に基づいて「何かをしなければならない」という考えや行動が繰り返される状態を指します。例えば、「手が汚れているのではないか」という不安が消えず、何度も手を洗う行動をとってしまうことが挙げられます。
このような思考や行動は、「やめたいのにやめられない」と感じることが特徴です。そして、その結果、日常生活に大きな影響を与えることもあります。
強迫症には、以下のようなさまざまな形があります：
- 汚染への恐怖：清潔さに対する過剰なこだわり。
- 確認行動：鍵やガスの元栓などを何度も確認する。
- 秩序への執着：物を特定の順序で並べることへの強い衝動。
- 侵入思考：暴力的または不快なイメージが頭から離れない。
こうした症状が続く場合、専門的なサポートを受けることで気持ちが軽くなり、状況を改善することができます。
強迫症への具体的なアプローチ
認知行動療法（CBT）は、強迫症への対策として効果が高いとされています。ここでは、その具体的な方法をいくつかご紹介します。
1. 自分の行動パターンを把握する
まずは、自分がどのような場面で強迫的な考えや行動を繰り返しているのか観察することから始めましょう。たとえば：
- 1日に何回手を洗っているか？
- どのような場面で確認行動をしてしまうか？
これらを日記やメモに記録してみてください。行動の背景にある考え方を把握することが、改善への第一歩です。
2. 曝露と反応妨害（ERP）を取り入れる
強迫症に対する有効な方法の一つに、曝露と反応妨害（Exposure and Response Prevention: ERP）があります。
- 曝露：強迫的な不安や恐怖を引き起こす状況や思考にあえて直面します。
- 反応妨害：嫌な感情を和らげるために行う行動（強迫行為や回避、逃避、頭の中での思考など）をできるだけ控えるようにします。
たとえば、汚染への恐怖がある場合、あえて手が汚れる状況を作り出し、その後すぐに手を洗うことを控える練習を行います。これを繰り返すことで、「不安が必ずしも行動を伴わなくても自然に収まる」という体験を積み重ねることができます。
3. 認知再構成法
強迫症では、「こうしないと大変なことが起こる」という極端な考えが行動を引き起こしていることがあります。認知行動療法では、以下のステップを通じて考え方を少しずつ見直していきます：
- その場で浮かんでいる考え（例：「手を洗わないと病気になる」）を書き出す。
- その考えに対する証拠や反証を整理する。
- より現実的で柔軟な考え（例：「少し汚れていても問題ない」）を取り入れる。
こうしたプロセスを続けることで、強迫的な考えの影響を軽減することが可能です。
4. サポートを求める
強迫症に悩む方の中には、自分だけで問題を抱え込んでしまう人が多くいます。しかし、信頼できる人に話すだけでも気持ちが軽くなることがあります。また、専門家と一緒に解決策を考えることで、新しい視点を得ることができるでしょう。
最後に
強迫症に悩む多くの方が、専門的なサポートを通じて、日々の苦しさを和らげ、より穏やかな生活を取り戻しています。
認知行動療法カウンセリングセンター山口店では、強迫症に悩む方一人ひとりの状況に合わせたサポートを提供しています。強迫症でお悩みの方は是非ご相談ください。
認知行動療法カウンセリングセンター山口店
https://yamaguchi.cbt-mental.co.jp/
——筆者情報——
岡村優希
株式会社CBTメンタルサポート 代表取締役
認知行動療法カウンセリングセンター代表
公認心理師、臨床心理士、認定行動療法士
個人事業主として私設カウンセリングルームの運営を経て、株式会社CBTメンタルサポートを創業し、メンタルヘルス支援者向けのサービス事業を展開している。主宰しているオンラインコミュニティ『認知行動療法の学校』の会員数は約400名。
さらに、カウンセリングルームを全国に5店舗運営しており、全国展開を目指している。
◆執筆書籍
「臨床心理学 〈１２３（第２１巻第３号）〉 問いからはじまる面接構造論 「枠」と「設定」へのまなざし」金剛出版
「遠隔心理支援スキルガイド」 誠信書房
◆テレビ出演
読売テレビ「かんさい情報ネットten.」2024年7月4日
「あなたの味方！お役に立ちます」のコーナーに高所恐怖克服のための専門家として出演
◆雑誌掲載
「からだにいいこと」 2022年12月号、2023年2月号
◆近年の講演実績
2024年2月21日
広島大学医学部にて「セルフケアに役立つ認知行動療法入門」についての講師
2023年2月9日
NTT PARAVITA株式会社にて「認知行動療法」をテーマとした社内研修の講師
2022年7月6日
筑波大学医学医療系精神医学の勉強会で「パニック症の認知行動療法」についての講師
その他、学会発表多数
