2025年12月22日
- 認知行動療法
過敏性腸症候群(IBS)へのカウンセリング/認知行動療法カウンセリングセンター山口店
こんにちは、認知行動療法カウンセリングセンター山口店です。
「外出先で突然お腹が痛くならないか不安になる」
「会議や電車など、途中で抜けられない場面が怖い」
「検査では問題ないと言われたのに、生活は楽にならない」
このようなつらさが続いている場合、過敏性腸症候群(IBS)と呼ばれる状態に当てはまることがあります。
IBSは命に関わる病気ではありませんが、日常生活や仕事の自由度を大きく下げてしまうことがあり、本人にとっては非常に負担の大きい不調です。
本記事では、過敏性腸症候群の特徴と、不安や緊張がどのように症状と結びつくのか、そして認知行動療法(CBT)の視点から何ができるのかについてお伝えします。
まず大切にしている前提について
最初に大切な前提としてお伝えしたいのは、IBSが疑われる場合、まず医療機関で検査を受けることが重要だという点です。
腹痛や下痢、便秘といった症状の背景には、別の身体疾患が隠れていることもあります。
そのため当センターでは、
- 病院で必要な検査を受け
- 身体的な異常がないことが確認され
- それでも生活のしづらさが続いている
という段階で、カウンセリングを選択肢のひとつとして考えることを大切にしています。
医療と心理、それぞれの役割を分けて考えることが、結果的に安心につながる場合も少なくありません。
過敏性腸症候群(IBS)とはどんな状態か
過敏性腸症候群(IBS)は、腸に明確な異常が見つからないにもかかわらず、腹痛や腹部不快感、下痢・便秘などの便通異常が繰り返し起こる状態を指します。
特徴として、
- 症状の波が大きい
- 緊張や不安が強い場面で悪化しやすい
- 生活場面(通勤・会議・外出)と結びつきやすい
といった点が挙げられます。
IBSの主なタイプ
- 下痢型:急な便意、水様便、トイレへの強い不安
- 便秘型:排便困難、残便感、腹部の張り
- 混合型:下痢と便秘を繰り返す
- 分類しにくいタイプ:明確に分けられないが不調が続く
どのタイプでも共通しているのは、「また起きたらどうしよう」という予測不安が強くなりやすいという点です。
なぜ「不安」と「お腹の症状」が強く結びつくのか
IBSを理解するうえで欠かせないのが、脳と腸が互いに影響し合っているという視点です。
よくみられる悪循環
- お腹に違和感が出る
- 「まずいかもしれない」と考える
- 緊張が高まる
- 腸の動きが乱れる
- 症状が強まり、不安が確信に変わる
この流れが繰り返されることで、
- 電車
- 会議室
- 静かな場所
といった状況が、無意識に警戒する場面として記憶されていきます。
結果として、実際には大きな問題が起きていなくても、身体が先に反応してしまう状態が続きやすくなります。
IBSのつらさは「症状」だけではありません
IBSのしんどさは、腹痛や下痢そのものだけではありません。
- 失敗への強い恐れ
- 周囲に迷惑をかけてしまう不安
- 行動範囲が少しずつ狭くなる感覚
- 「普通に過ごせない自分」への落ち込み
こうした心理的な負担が重なり、生活の質(QOL)が大きく下がってしまうことが少なくありません。
認知行動療法(CBT)によるカウンセリングの考え方
認知行動療法では、考え方・感情・体の反応・行動がどのようにつながっているかを整理します。
IBSへのカウンセリングでは、特に次の点を大切にしています。
1.不安を強めている考え方を整理する
「トイレに行けなかったら取り返しがつかない」
「一度失敗したら終わりだ」
こうした考えを否定するのではなく、現実的な幅を取り戻す整理を一緒に行います。
2.避けてきた行動を、小さな単位で取り戻す
いきなり元の生活に戻る必要はありません。
「ここまでならできそう」という現実的なステップを設定し、行動の幅を少しずつ広げていきます。
3.身体感覚との距離感を調整する
IBSでは、お腹の感覚に注意が集中しやすくなります。
呼吸や注意の向け方を工夫し、感覚に振り回されすぎない状態を練習していきます。
よくあるご質問(Q&A)
Q1.病院で異常がないと言われました。それでもカウンセリングを受ける意味はありますか?
A.はい。検査で問題がなくても、生活のしづらさが続く場合、考え方や体との向き合い方を整理することが役立つことがあります。
Q2.症状が不安で外出が難しいです。オンラインでも対応できますか?
A.可能です。当センターでは全国対応のオンラインカウンセリングを行っています。
Q3.どのくらいの期間が必要ですか?
A.数か月を目安にすることが多いですが、状態や目標に応じて無理のないペースを一緒に決めていきます。
不安に振り回されない生活を目指して
過敏性腸症候群は、外から見えにくく、理解されにくい不調です。
しかし、身体に異常がないことを確認したうえで、心と体の反応を整理していくことで、生活は少しずつ変えていくことができます。
ひとりで抱え込まず、必要に応じてご相談ください。
認知行動療法カウンセリングセンター 山口店のご案内
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