2025年10月31日
- 認知行動療法
山口で子供の癇癪へのカウンセリング
子どもの「癇癪(かんしゃく)」や「怒りの爆発」は、家庭や学校での関わりの中で、保護者の方がどのように対応すればよいのか悩むことが多いテーマの一つです。
怒りや泣き叫びなどの強い反応は一見「わがまま」や「甘え」と捉えられがちですが、実はその裏に“感情のコントロールの難しさ”が隠れている場合があります。
本記事では、認知行動療法(CBT)の視点から、子どもの癇癪への理解とカウンセリングでの関わり方についてお伝えします。
こんにちは。認知行動療法カウンセリングセンター山口店です。
当センターでは、子どもの感情や行動に関するご相談を多くお受けしています。
「怒りを抑えられない」「すぐに手が出てしまう」「気持ちを切り替えられない」といったお悩みは、家庭内だけでなく学校生活にも影響を及ぼすことがあります。
本日のテーマは、
「子どもの癇癪へのカウンセリング」。
認知行動療法の考え方をベースに、どのようにサポートしていけるのかを、できるだけ分かりやすくご紹介します。
癇癪とは何か
癇癪とは、子どもが強い怒りや不満、悲しみなどの感情をうまく表現できず、泣いたり怒鳴ったりして感情を爆発させる状態を指します。
多くの場合、それは「悪いこと」ではなく、自分の感情を整理する力がまだ発達途中であることの表れです。
例えば、
- 思い通りにならなかったときに怒る
- 注意されたときに大声を出す
- 我慢の限界を超えて物を投げる
といった行動は、感情のコントロールがうまくいかないサインともいえます。
認知行動療法では、この「感情」と「行動」を別々に捉え、どの部分をどのように整えていくかを一緒に考えます。
認知行動療法(CBT)の視点から見る「癇癪」
CBTでは、「怒り」などの感情を直接なくそうとするのではなく、“行動”を整えることで感情を落ち着かせていくという考え方を取ります。
これは「行動が先、認知(考え方)はあと」という順序です。
癇癪を繰り返す子どもの場合、怒りを表す“行動”が先に起き、それに伴って否定的な感情が強まることがあります。
つまり、まず「怒りの行動」を調整することが、落ち着いた感情を取り戻す第一歩になるのです。
CBTでは次のようなサイクルで整理します。
- 怒りの誘発(きっかけ)
- かんしゃく・暴言などの行動
- 否定的な感情の強化
- 周囲からの反応(叱責・拒絶など)
- 自己否定感・セルフコントロールの低下
このような悪循環を断ち切るために、行動から変えていく支援を行います。
行動変容のポイント
1. 怒りのコントロールを学ぶ
「怒らないようにする」ことではなく、「怒りが起きたときにどのように対応するか」を学びます。
例えば、「深呼吸をする」「その場を離れる」「クールダウンの場所を使う」など、感情と距離を取るスキルを身につけていく形です。
2. 成功体験を積み重ねる
「落ち着くまで少し待てた」「気持ちを切り替えられた」といった経験を繰り返すことが、セルフコントロールの自信につながります。
すぐにうまくいかないこともありますが、小さな前進を積み重ねることで、「自分でも落ち着ける」という感覚が育っていきます。
その一歩一歩が、感情との付き合い方を学ぶ大切なステップになります。
3. 周囲との関係の中で行動を整える
「怒ったときに周りが反応してくれる」「声を荒げると相手が譲ってくれる」など、やり取りの積み重ねによって行動のパターンが形づくられることがあります。
カウンセリングでは、そうした場面を振り返りながら、「どんな関わり方のときに落ち着きやすいか」「どんな伝え方をすれば気持ちが伝わりやすいか」を一緒に整理していきます。
行動を単に“抑える”のではなく、関係の中で新しい表現の仕方を身につけるという視点でサポートします。
「怒りのピーク」は変えられる
怒りの感情にはピークがあり、時間が経つにつれて必ず下がっていくという特徴があります。
怒りのピークにすぐ反応して行動すると、感情が爆発しやすくなりますが、少し待つことで自然と落ち着くこともあります。
カウンセリングでは、こうした感情の性質を利用して、「すぐに反応しない練習」を重ねていきます。
これは“感情を抑え込む”のではなく、“波をやり過ごす”感覚に近いものです。
セルフコントロールを支える「社会的サポート」
子どもが一人で感情をコントロールするのは難しいことです。
家庭や学校など、周囲の大人がサポートの仕組みをつくることが大切です。
例えば、
- 家庭では、落ち着けるスペースを用意する
- 学校では、担任や支援員と共通ルールを設ける
- 成功体験を一緒に振り返り、努力を言葉で認める
このように、外側からの支え(社会的コントロール)によって、子どもの内的セルフコントロールを補強していきます。
カウンセリングで大切にしていること
認知行動療法カウンセリングセンター山口店では、子どもが「感情を抑える」のではなく「気づきながら整える」ことを目指します。
怒りや癇癪の背景には、言葉にできない不安や恥ずかしさ、孤独感などが隠れている場合もあります。
私たちは行動観察を通して、どんなきっかけで感情が動くのかを一緒に整理し、本人のペースで変化を支えていきます。
Q&A
Q1. どのくらい通えば落ち着くようになりますか?
個人差があるため一概には言えません。短期間で変化が見られるケースもあれば、時間をかけて少しずつ整っていく場合もあります。
まずは安心して話せる場をつくることから始めています。
Q2. 親も一緒に参加する必要はありますか?
はい、保護者の方との協力がとても大切です。
家庭での関わり方や声かけの工夫を共有しながら、一緒に進めていきます。
Q3. 学校での対応についても相談できますか?
可能です。ご希望があれば、学校や関係機関と連携し、環境調整をサポートいたします。
ご相談をご希望の方へ(山口店)
当センターは完全予約制で、対面・オンラインどちらにも対応しています。
お子さまのペースを尊重しながら、少しずつ「感情と行動の整理」をサポートいたします。
【所在地】
〒753-0055 山口県山口市今井町4-10 山根ビル201号室
(JR湯田温泉駅 徒歩1分)
【営業時間】
10:00〜20:00(完全予約制)
【WEBサイト】
https://yamaguchi.cbt-mental.co.jp/
【LINE(相談・ご予約)】
https://lin.ee/26sKHRK8
【お申込フォーム】
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSelm3nMBwOyvwnkhrkihe-APBzNTll2NL4fsPB6b6hHMzC8GA/viewform
おわりに
癇癪は「悪いこと」ではなく、感情を整理する力を育てるチャンスでもあります。
カウンセリングを通して、お子さまが自分の感情に気づき、少しずつ扱えるようになることを目指しています。
保護者の方が一人で抱え込まず、安心して相談できる場として、私たちがサポートいたします。