〜他人の視線が気になる・視線を合わせられない方へ〜

はじめに

こんにちは。認知行動療法カウンセリングセンター山口店です。
人と接する日常の中で「見られている気がする」「視線を合わせられない」といった悩みを抱える方は少なくありません。こうした状態は「視線恐怖」と呼ばれ、強い緊張や不安感を引き起こし、学校や職場、日常生活に影響を与えることがあります。

視線恐怖は単なる“恥ずかしがり”とは異なり、本人にとって深刻な困りごとです。今回は、視線恐怖の種類や特徴、当センターでの関わり方について、認知行動療法（CBT）の視点から詳しくご紹介します。

視線恐怖の2つのタイプ

視線恐怖には大きく分けて次の2種類があります。

1. 他者視線恐怖
   　他人から視線を向けられることに強い不安を感じるタイプです。赤面や発汗、心臓の高鳴りなどの身体症状を伴うこともあり、「見られる＝評価される・否定される」といった自動的な思考が生じやすくなります。
   
2. 自己視線恐怖
   　自分の視線が相手に不快感を与えるのではないかと強く心配するタイプです。視線を合わせることを避け、逆に視線を逸らしすぎて不自然な態度になる場合があります。
   

どちらのタイプも、日常のコミュニケーションや社会生活に影響を与えるため、適切な支援や対処が重要です。

視線恐怖が続くしくみ（困りごとの構造）

視線恐怖は偶然生じた一度きりの緊張で終わらず、繰り返しやすくなる傾向があります。その背景には以下のような流れがあります。

1. きっかけ
   　会議で発表する、電車内で隣の人と目が合う、友人と雑談中に相手がこちらを見た　など。
   
2. 感情・身体反応
   　緊張、不安、恥ずかしさ、苛立ち／心拍数の上昇、顔のほてり、汗、呼吸の浅さ。
   
3. 考え
   　「悪く思われているに違いない」「笑われているはず」「目を合わせたら不快にさせる」。
   
4. 行動
   　視線を逸らす、会話を避ける、人混みや会議を回避する。
   
5. 結果
   　一時的に安心するが、自信が下がり、苦手意識が強まる。再び似た場面で緊張しやすくなる。
   

当センターのカウンセリングの進め方

当センターでは、初回面接（50分）で詳しくお話を伺い、視線恐怖の背景や影響を整理します。その上で、困りごとの構造を踏まえて**ケースフォーミュレーション（仮説立て）**を行い、相談者の希望や状態に合った進め方を一緒に決定します。

主なアプローチは以下の3つです。

1. 認知面へのアプローチ

① 解釈の再検討
「見られている＝否定されている」という自動的な思考を事実に基づいて見直します。

• 例：「相手はたまたまこちらを見ただけかもしれない」「別のことを考えていた可能性もある」。
  複数の可能性を考える練習により、ひとつの解釈に縛られなくなります。
  

② メタ認知の向上
視線を感じた瞬間、自分の心や身体の反応を“実況中継”するように観察するスキルを養います。

• 例：「心拍数が上がっている」「手が汗ばんでいる」など。
  こうした客観視により、不安や緊張に巻き込まれにくくなります。
  

2. 行動面へのアプローチ（エクスポージャー・行動実験）

① 段階的エクスポージャー（曝露）
いきなり負担の大きい状況に挑むのではなく、負担の小さい場面から順に慣れていきます。

• 例：
  　- 街中で数秒だけ目を合わせる
  　- 短時間の雑談に加わる
  　- 店員と一言だけ会話する
  

② 行動実験
予測と現実の違いを確かめる取り組みです。

• 例：「視線を感じたら必ず笑われるはず」と予測し、コンビニで店員と目を合わせてから会計を行い、実際の反応を確認する。
  

3. セルフコントロールの回復

① 呼吸法
視線を感じて動悸が強まった際、ゆっくりとした腹式呼吸で自律神経を整えます。

② マインドフルネス
「視線を浴びている」という事実を、評価や判断を加えずにそのまま受け止める練習です。

③ 行動の幅を広げる
苦手な場面を少しずつ増やし、「できること」を広げます。

• 例：雑談の参加時間を1分ずつ延ばしてみる。
  

まとめ

視線恐怖は「心の癖」と「行動パターン」が関わっており、放置すると悪循環になりやすい困りごとです。しかし、認知行動療法の枠組みを使えば、少しずつ現実的な捉え方と行動の選択肢を増やすことができます。

山口店では、相談者のペースに合わせた安全なステップで、日常生活に活かせる方法を一緒に実践していきます。

よくある質問（Q&A）

Q1. 何回くらい通えば改善しますか？
A. 個人差がありますが、8〜12回程度で変化を感じる方が多いです。

Q2. オンラインでも受けられますか？
A. はい。全国どこからでもオンラインカウンセリングに対応しています。

Q3. 他の悩みと同時に相談しても良いですか？
A. もちろん可能です。視線恐怖に関連する不安や緊張、自己評価の低さなども一緒に扱えます。

山口店のご案内

住所：〒753-0055 山口県山口市今井町4-10 山根ビル201号室
アクセス：JR湯田温泉駅 徒歩1分
営業時間：10:00〜20:00（完全予約制）
LINE：https://lin.ee/26sKHRK8
予約フォーム：https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSelm3nMBwOyvwnkhrkihe-APBzNTll2NL4fsPB6b6hHMzC8GA/viewform
Webサイト：https://yamaguchi.cbt-mental.co.jp/