2025年07月15日
- 認知行動療法
山口で社交不安で人付き合いがつらい方へのカウンセリング

社交不安とアンヘドニアに焦点をあてた認知行動療法のご案内
こんにちは。認知行動療法カウンセリングセンター山口店です。
「人前で何を話せばいいかわからない」「会話に自信が持てない」――
そんな悩みを抱える方の中には、ただ“怖い”だけでなく、
「人と一緒にいても楽しさがない」
「誰かと話しても、意味を感じない」
といった感覚を抱えている方も多くいらっしゃいます。
このような状態は、**アンヘドニア(快感喪失)**と呼ばれるもので、社交不安症と結びついて現れることが少なくありません。
この記事では、社交不安とアンヘドニアがどのように関連しているか、そしてそれに対して認知行動療法(CBT)でどのようなアプローチができるのかをご紹介します。
アンヘドニアとは?
アンヘドニアは、**「喜びや楽しさを感じにくくなる状態」**のことを指します。
うつ病に特徴的な症状とされることが多いものですが、社交不安症の背景にも関係していることが近年の研究で示されてきました。
たとえば、こんな感覚はありませんか?
- 話しても楽しくない
- 相手の反応に心が動かない
- 共に過ごしていても「意味がない」と感じてしまう
- 何かをしても「喜べない」「安心できない」
これらは、「人との関係が苦手」というよりも、関わっても何も得られないという感覚に近いかもしれません。
社交不安とアンヘドニアの相互関係
1. 「怖い」だけでなく「報われない」
社交不安と聞くと、「恥をかくのが怖い」「人前に出ると緊張する」といった症状を思い浮かべる方が多いかと思います。
しかし実際には、「関わっても楽しくない」「話す意味を感じない」といった感情の平坦さや無力感も大きな影響を与えているケースがあります。
2. 脳の反応が鈍くなることも
神経科学の知見では、社交場面における**ポジティブなフィードバック(共感、笑顔、うなずきなど)**に対し、社交不安を持つ方は報酬系の脳の働きが低下する傾向があると報告されています。
その結果、**「関わっても嬉しくない」→「もう関わらなくていいや」**というパターンが形成されやすくなります。
3. 孤立と無感情の悪循環
喜びを感じにくい → 行動が減る → 社会的接点が減少 → 孤独が深まる → さらに喜べない…
このような悪循環に入り込みやすいのが、社交不安とアンヘドニアが共存している状態の特徴です。
認知行動療法(CBT)の視点と支援方法
CBTは、単に「不安を和らげる」ためのものではありません。
とくにアンヘドニアがある場合には、**「行動を通じて快を回復していく」**というアプローチが求められます。
◆ 行動活性化の考え方
行動活性化(Behavioral Activation)とは、
**“今は楽しめなくても、とにかく小さな行動をとる”**ことを重視する方法です。
- 成果の有無にこだわらず、「関わった」という事実そのものに意味を持たせる
- 「少しだけ安心できた場面」「悪くなかったやり取り」に注目して記録
- 例えば、「あいさつを返してくれた」「無視されなかった」など、ごく小さな“プラス”を拾っていきます
◆ 喜びを感じる感度を取り戻すために
CBTでは、「喜びそのもの」を無理に感じさせようとするのではなく、
**“ほんのわずかな心の変化”**に気づく練習を取り入れていきます。
- 日々の中で「悪くはなかった瞬間」を3つ記録
- 相手の笑顔、雑談中の沈黙など、“心がザワッとした”要素を見つける
- 「楽しくはなかったけど疲れなかった」という感覚にも意味を見出す
ケース紹介:仮想の例
20代・男性:Aさん
Aさんは、「職場の会議で発言できない」「話しかけられると緊張する」という理由で来談。
ただ、不安を取り除く面接を進めても、どこか「無感情で無気力」な状態が続きました。
Aさんは、「人と関わっても何も得られないし、楽しいと感じたことがない」とも語っていました。
そこで、Aさんとは次のようなワークに取り組みました。
- 会話の後に、「嫌だったこと・悪くなかったこと」の両方を記録
- 過去の関わりの中で、「自分なりに耐えられた経験」に注目
- 少しでも心が動いた瞬間を、週に1回振り返る時間を設ける
これらを通じて、「楽しい」とまではいかなくても、「やって損ではなかったかも」という感覚が徐々に増えていきました。
よくあるご質問(Q&A)
Q1. 社交不安とアンヘドニア、どちらを優先して対処するべき?
→個人差がありますが、多くの場合は「関わる意味を見出せるようになる」ことで、両者が同時に改善していくことが多いです。
Q2. CBTはオンラインでも受けられますか?
→はい。山口店ではオンラインでも顔出し不要でご相談可能です。外出が不安な方、遠方の方にも対応しています。
Q3. 楽しさが感じられない自分が、普通ではないのではと不安です…
→「喜びに反応できない」こと自体が苦しみとなるのは自然なことです。あなたの感じている感覚は、特別ではなく、治療対象として認識されています。
まとめ
ポイント | 内容 |
アンヘドニアとは | 喜びや快感の感受性が低下する状態 |
社交不安との関係 | 恐怖だけでなく「報われなさ」も避けたくなる要因 |
CBTの視点 | 行動活性化と報酬体験の再構築が鍵 |
改善の道筋 | 小さな変化に注目しながら、心の反応を育てていく |
山口で社交不安・人付き合いに悩む方へ
認知行動療法カウンセリングセンター山口店では、
社交不安症とアンヘドニアが重なったお悩みに対して、専門的な支援を行っております。
「ただ不安を取り除くだけでなく、心を動かす体験を少しずつ取り戻していきたい」
そんな方は、ぜひ一度ご相談ください。
■ 認知行動療法カウンセリングセンター山口店
- 所在地:〒753-0055 山口県山口市今井町4-10 山根ビル201号室
- アクセス:JR湯田温泉駅 徒歩1分
- 営業時間:10:00〜20:00(完全予約制)
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