2025年11月09日
- 認知行動療法
山口で反抗期の親子関係へのカウンセリング
思春期の子どもとの関係に悩む保護者の方は少なくありません。
「話しかけても無視される」「つい叱ってばかり」「以前のように笑って話せない」──そんな戸惑いを感じる場面は、どの家庭にもあります。
こんにちは。認知行動療法カウンセリングセンター山口店です。
本日のテーマは「反抗期と親子関係」。
今回は、認知行動療法(CBT)の視点から、思春期の親子の関係をどのように整理し、穏やかに関わっていけるかについてお伝えします。
1. 反抗期は“成長の通過点”
中学生から高校生にかけての時期は、自分の考えを持ちたいという気持ちと、まだ親に頼りたいという気持ちが入り混じる時期です。
このため、「親の言うことを聞かない」「目を合わせない」「返事をしない」などの行動が見られることがあります。
これらは単なる“反抗”ではなく、自立に向かう自然なプロセスでもあります。
しかし、親がそれを「言うことを聞かない」「態度が悪い」と受け取ると、強い口調で注意したり、感情的に叱ったりしてしまうこともあります。
その結果、親子の間に“悪循環”が生まれてしまうのです。
2. 悪循環を起こす親子のパターン
認知行動療法では、「思考・感情・行動のつながり」に注目します。
親子関係でもこの3つの関係が崩れると、トラブルが繰り返されるようになります。
たとえば──
| 出来事(状況) | 親の考え | 親の感情 | 親の行動 | 親子の流れ |
| 夕食後、親が「明日の支度は終わってる?」と声をかけたが、子どもは机に向かったまま視線を落とし、返事をしなかった。 | 「わざと返事をしない」「親を軽く見ている」 | 怒り・不安 | 「ちゃんと返事をしなさい」と強い口調で重ねて問い詰める。 | 子どもが表情を固くし、その後さらに口数が減る。 |
| 夜のリビングで、親が「そろそろ宿題を始めたら?」と声をかけたが、子どもはソファに座ったままスマートフォンを見続けていた。 | 「やる気がない」「また怠けている」 | いら立ち・焦り | 「いい加減にしなさい」と強い口調で注意する。 | 子どもが「今やろうと思ってた!」と声を荒げ、口論になる。 |
一方で、考え方を少し変えるだけで関係が変わることもあります。
たとえば「疲れているのかもしれない」「話すタイミングを変えてみよう」と受け止めることで、親の反応が柔らかくなり、子どもも少しずつ安心を取り戻します。
3. 親ができる“関わり方の整理”
私たちのカウンセリングでは、親御さんに「今どんな場面でしんどさを感じるか」を具体的に振り返ってもらいます。
- どんな言葉をかけた時に
- どんな反応が返ってきたのか
を整理することで、行動のパターンが見えてきます。
たとえば、
「叱っても聞かない」→「叱る回数が増える」→「関係がぎくしゃくする」
という流れが見えたら、まず“叱る回数を減らす”ことから始めます。
現状のうまくいってないと感じる声かけを減らすだけでも、家庭の空気は少しずつ変わっていきます。
4. 言葉のかけ方を整える
関係を落ち着かせたいときほど、「どんな言葉をかけるか」が大切になります。
思春期の子どもは、親の言葉のトーンや表情にとても敏感です。
同じ内容でも、伝え方によって受け取り方が大きく変わることがあります。
たとえば、
「どうしてできないの?」と問い詰めるよりも、
「ここまでは進めてたんだね」と事実を確認するだけで、会話の空気は穏やかになります。
これは、子どもの行動に気づいて伝えるという関わり方です。
「評価」よりも「観察」に重きを置くことで、子どもは“見てもらえている”と感じ、安心しやすくなります。
親の言葉が「叱る」か「認める」かのどちらかだけになると、やり取りは単調になりがちです。
その間にある、“ただ気づきを伝える言葉”を増やしていくことが、関係を落ち着かせる第一歩になります。
5. 親のストレスにも目を向ける
反抗期の関係が長引くと、「もう何を言っても無駄」と感じることがあります。
親自身が疲れてしまうと、どんな工夫も続きません。
カウンセリングでは、子どものことだけでなく、親のストレス反応や気持ちの整理も大切にしています。
怒り・悲しみ・あきらめといった感情を言葉にすることで、自分のペースを取り戻しやすくなります。
また、「どんな時にストレスが高まるか」を一緒にモニタリングし、行動の工夫を検討していきます。
6. 関係を変えるための“少し違う関わり方”
親子のやり取りが繰り返しうまくいかないときは、思い切って“いつもと少し違う関わり方”をしてみることがあります。
認知行動療法では、行動を通して相手の反応や自分の気持ちを確かめることを大切にします。
これは、親が自分を責めるのでも、子どもを変えようとするのでもなく、関係の流れを整えるための試みです。
たとえば──
- 叱りたくなったとき、まずは深呼吸して一拍おく。
- 「何してるの?」ではなく、「今日はどうだった?」と声をかけてみる。
- いつもより短い言葉で、穏やかに伝えてみる。
こうした小さな関わり方の違いが、少しずつ親子の空気を変えていくことがあります。
うまくいく日もあれば、思うようにいかない日もありますが、それぞれの経験が“次にどうすればいいか”を考える手がかりになります。
関係を変えることは、新しいやり取りを育て直していくこと。
その一歩を一緒に見つけていくのが、カウンセリングの役割です。
7. カウンセリングでできること
当センターの親子関係カウンセリングでは、次のようなサポートを行っています。
- 親子間の会話パターンを整理し、関係の悪循環を可視化する
- 親自身のストレスを緩める方法を一緒に考える
- 否定的な関わりを減らし、建設的な関わりを増やす練習を行う
- “叱る・教える”から“伝える・聴く”への切り替えをサポート
親子関係の改善は、一度の関わりで劇的に変わるものではありません。
しかし、少しずつ「関係を修復する力」を取り戻すことはできます。
Q&A
Q1. 子どもがカウンセリングを嫌がっています。親だけでも大丈夫ですか?
A. はい、親御さんだけのご相談も多くあります。親の関わり方が変わることで、子どもの反応も自然に変化していきます。
Q2. 叱らないように意識しても、つい感情的になってしまいます。
A. 感情のコントロールは難しいものです。まずは「叱る前に間を取る」「後で振り返る」など、現実的な工夫から始めましょう。
Q3. 夫婦で意見が合わず、子育ての方針で衝突します。
A. ご夫婦の意見の違いも、子育てのストレスの一因です。カウンセリングでは、夫婦間のコミュニケーション整理も一緒に行います。
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安心してお話しいただける空間で、「気持ちと行動の整理」を一緒に進めてまいります。
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