2025年03月07日
- 認知行動療法
山口で場面緘黙へのカウンセリング

「家では普通に話せるのに、学校や人前では声が出なくなる」――このような状態が続いている場合、それは「場面緘黙(ばめんかんもく)」と呼ばれる状態かもしれません。
子どもの頃に多く見られますが、大人になっても影響が残ることがあります。「恥ずかしがり屋」や「内気」と混同されがちですが、本人の意思で黙っているわけではなく、「話したくても話せない」という特徴があります。
この記事では、場面緘黙の特徴や関わり方、相談先について解説します。
1. 場面緘黙とは?
場面緘黙は、特定の状況や場面で声が出なくなる状態を指します。例えば、家庭では家族と問題なく会話できるのに、学校や公の場では話せなくなることが典型的な例です。
この状態は主に幼児期や学童期に見られ、学校や園での活動に影響を及ぼすことがあります。場面緘黙の子どもは、話せないだけでなく、表情や動作も固くなりがちです。そのため「緊張しやすい性格」と思われることもありますが、環境によっては適切なサポートで話せるようになることもあります。
2. 場面緘黙の主な特徴
場面緘黙の子どもには、次のような特徴が見られます。
- 家では家族と普通に話せるが、学校では話せない
- 親しい友達となら話せるが、先生や他の子どもとは話せない
- 声を出さないだけでなく、表情や身振りも硬くなる
- 返事を求められると極端に緊張する
- 自分から話しかけることがほとんどない
場面緘黙は、特定の場面でのみ現れるため、学校や習い事では話せないのに、公園やオンラインでは話せるといったケースもあります。そのため、「ただの恥ずかしがり屋」「話さないだけ」と誤解されることも少なくありません。
3. どのように関わればいい?
場面緘黙の子どもに対して「話してごらん」と促すだけでは、かえってプレッシャーになることがあります。大切なのは「話さなくても大丈夫」と思える環境を作ることです。
◎ 話すことを無理に求めない
場面緘黙の子どもは、「話さなければならない」というプレッシャーが強くなるほど、声を出しにくくなります。「なんで話さないの?」と聞くのではなく、ジェスチャーや筆談など、言葉以外の方法でもコミュニケーションできる環境を整えることが大切です。
◎ リラックスできる場を作る
信頼できる人や安心できる場所では、少しずつ声を出せることがあります。まずは表情やしぐさで反応できる状況を増やし、次に小声でのやり取りを試すなど、段階的に関わっていくことが有効です。
◎ 少しずつ成功体験を積む
「人前で声を出せた」「友達と会話できた」など、小さな成功体験を重ねることが、話せる場面を増やしていく助けになります。「今日はうなずいてくれたね」など、話すこと以外の行動も肯定的に受け止めましょう。
4. 場面緘黙に対する認知行動療法
場面緘黙に対するアプローチとして、認知行動療法が有効とされています。
認知行動療法では、話せる場面と話せない場面の状況を整理した上で、その後のアプローチを一緒に考えていきます。
◎ 場面緘黙の状態を整理する
1.話す事の出来る場所と話す事の出来ない場所の整理
- 家では話せるが、学校では話せない
- 家の外でも、親と一緒なら話せる
- 友達とは小声なら話せるが、先生には話せない
話せる場面と話せない場面を具体的に分けることで、どのようなサポートが必要か見えてきます。
2.話しやすい状況についての整理
- 人が少ない場所なら話せる
- 近くに信頼できる人がいると話しやすい
- 誰にも聞かれていない状況なら話せる
「完全に話せる/話せない」ではなく、「どのような条件なら話しやすいのか?」を探ることで、少しずつ話せる場面を広げていくことができます。
3.話せない場面での気持ちや考えのパターン
- 「話さなきゃいけない」と思うと緊張する
- 「変に思われるかも」と不安になる
- 「黙っている方が楽」と感じることがある
気持ちの部分を整理することで、どう関わるのがよいかのヒントになります。
◎ 刺激フェーディング法
刺激フェーディング法とは、「話せる場面から少しずつ環境を変えていき、話せる範囲を広げていく」方法です。
例えば、次のようなステップを踏みます。
- 話しやすい環境を作る
- 家庭内で、信頼できる人と話す場面を増やす
- 例えば、家族の前で話せるなら、その状況に少しずつ他の人を加えていく
- 少しずつ環境を変える
- 家では話せるが学校では話せない場合、学校の近くで話してみる
- 友達の前では話せるなら、先生の前でも話せるようにしていく
- 成功体験を積み重ねる
- 最初は「小声で話せた」「ジェスチャーで意思表示できた」といった小さなステップから始める
- 徐々に声を出す機会を増やし、話せる範囲を広げていく
このように、本人が負担を感じにくい範囲で少しずつ進めていくことが大切です。
5. 相談できる場所
場面緘黙の状態が続くと、学校生活や社会生活に影響が出ることもあります。「話せるようになってほしいけれど、どう関わればいいかわからない」と感じたら、専門機関に相談するのも一つの方法です。
◎ 学校の相談窓口
スクールカウンセラーや養護教諭など、学校には相談できる人がいます。担任の先生と連携しながらサポートを受けることもできます。
◎ 専門のカウンセリングルーム
認知行動療法を取り入れたカウンセリングでは、本人の気持ちを整理しながら場面緘黙の改善に向けてのアプローチを行っていきます。
認知行動療法カウンセリングセンター山口店でも、場面緘黙についての相談を受け付けています。話すことに不安を感じている方や、お子さんの様子が気になる保護者の方は、お気軽にお問い合わせください。
まとめ
場面緘黙は、特定の場面で話せなくなる状態であり、単なる恥ずかしがりや内気とは異なります。話すことを無理に求めるのではなく、安心できる環境を作り、少しずつ話せる場面を広げていくことが大切です。
もし場面緘黙について相談したいことがあれば、専門のカウンセリング機関などを活用することも考えてみてください。話せないことで困っている方や、そのご家族が、少しでも安心できる方法を見つけられるよう、お手伝いできればと思います。
認知行動療法カウンセリングセンター山口店
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