2024年11月05日
- 認知行動療法
盗撮再犯防止のためのカウンセリング(認知行動療法)
こんにちは。認知行動療法カウンセリングセンター山口店の岡村です。本日は「盗撮の再犯防止を目的としたカウンセリング」について詳しくご紹介します。当カウンセリングセンターには、盗撮行為に関連するお悩みを抱え、再発防止を目指す方々からもご相談頂きます。そういった方々には再犯防止のカウンセリングを通じて、行動の改善と再犯リスクの軽減に取り組んでいます。その中心となるのが、リラプス・プリベンションモデル(Relapse Prevention Model)を用いたサポートです。
1. 盗撮行為の背景と再犯リスク
盗撮行為には複雑な心理的要因が絡んでおり、これらの要因に気づくことが再犯防止の第一歩です。
- 盗撮を繰り返す認知パターン: 盗撮行動を正当化する考え方が、再犯リスクを高めることがあります。例えば、「被害者には害を与えていない」などの思い込みです。
- 衝動のコントロールの困難さ: 衝動が抑えられず、行動に移してしまうケースもあります。
こうした問題に対処するためには、再犯リスクを下げる効果的な手法を身につけることが重要です。当センターでは、リラプス・プリベンションモデルを活用し、個々の状況に応じたサポートを行っています。
2. リラプス・プリベンションモデルとは?
リラプス・プリベンション(Relapse Prevention)とは、依存症や問題行動の再発防止を目的としたモデルで、再発リスクが高い状況を特定し、その対処法を学ぶことで再犯を防ぎます。このモデルは、盗撮再犯防止においても有効であり、衝動や行動をコントロールする具体的な手法を提供します。
3. リラプス・プリベンションのステップ
盗撮行為の再犯防止に向けて、リラプス・プリベンションモデルを用いたカウンセリングの流れをご紹介します。
1. ハイリスク状況の特定
まず、盗撮行為を引き起こす「ハイリスク状況」を特定します。これには、ストレスを感じやすい場面や特定の時間帯、特定の場所などが含まれます。こうした状況を把握することで、再犯の可能性を減らす準備ができます。
2. コーピングスキルの学習
ハイリスク状況に直面した際に役立つ「コーピングスキル」を習得します。具体的には、以下のような方法があります。
- リラクゼーション法: 緊張を和らげる呼吸法や筋弛緩法を実践することで、衝動を落ち着かせます。
- 代替行動の選択: 衝動を感じた際に、盗撮行為に代わる健全な行動を選ぶトレーニングを行います。例えば、散歩に出かけたり、気持ちを切り替える趣味に集中したりする方法です。
- 思考の再構築: 衝動を正当化する考えを現実的に見直し、行動を制御します。
3. 自己評価とフィードバック
各セッションの終わりに自己評価を行い、自分がどれだけコントロールできているかを確認します。カウンセラーからのフィードバックを受け取り、改善すべき点を明確にします。
4. 維持戦略の構築
習得したスキルを日常生活でどのように活用するかを計画します。具体的な行動計画を立て、再犯を防ぐ仕組みを作り上げます。例えば、「衝動が高まったときに使う対処法リスト」を作成し、いつでも確認できるようにします。
4. 認知行動療法の活用
認知行動療法(CBT)は、盗撮行為に対する衝動をコントロールするために有効なアプローチです。CBTでは、問題行動を引き起こす思考や感情に焦点を当て、それらを健全なものに修正することで行動を変えることを目指します。特に、盗撮の衝動を感じる際の「自動思考」に気づき、それをコントロールする練習を行います。
5. 再犯防止に向けたサポートの重要性
盗撮行為を繰り返すことで、自信や社会的な信頼を失い、精神的な苦しみが増すことがあります。再犯を防ぐためには、自分の行動を客観的に理解し、変えていく努力が必要です。当センターでは、カウンセリングを通じて行動パターンの理解を深め、再犯防止策を実践する力を育てます。
6. 認知行動療法カウンセリングセンター山口店でのサポート
当カウンセリングセンターでは、一人ひとりに合わせた再犯防止プランを作成し、リラプス・プリベンションモデルやCBTを組み合わせたサポートを提供しています。盗撮行為にお悩みの方、またはそのご家族は、どうぞお気軽にご相談ください。
認知行動療法カウンセリングセンター山口店
https://yamaguchi.cbt-mental.co.jp/
——筆者情報——
岡村優希
株式会社CBTメンタルサポート 代表取締役
認知行動療法カウンセリングセンター代表
公認心理師、臨床心理士、認定行動療法士
個人事業主として私設カウンセリングルームの運営を経て、株式会社CBTメンタルサポートを創業し、メンタルヘルス支援者向けのサービス事業を展開している。主宰しているオンラインコミュニティ『認知行動療法の学校』の会員数は約400名。
さらに、カウンセリングルームを全国に5店舗運営しており、全国展開を目指している。
◆執筆書籍
「臨床心理学 〈123(第21巻第3号)〉 問いからはじまる面接構造論 「枠」と「設定」へのまなざし」金剛出版
「遠隔心理支援スキルガイド」 誠信書房
◆テレビ出演
読売テレビ「かんさい情報ネットten.」2024年7月4日
「あなたの味方!お役に立ちます」のコーナーに高所恐怖克服のための専門家として出演
◆雑誌掲載
「からだにいいこと」 2022年12月号、2023年2月号
◆近年の講演実績
2024年2月21日
広島大学医学部にて「セルフケアに役立つ認知行動療法入門」についての講師
2023年2月9日
NTT PARAVITA株式会社にて「認知行動療法」をテーマとした社内研修の講師
2022年7月6日
筑波大学医学医療系精神医学の勉強会で「パニック症の認知行動療法」についての講師
その他、学会発表多数
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